この夏の立山登山の帰路に行った仁科神明宮(大町市)。
大町に行くたびに「国宝・仁科神明宮」と書かれた案内板が
気になっていた。この地域で仁科といえば、千年以上前から
この地を拠点にしていた名族・仁科氏が連想され、その縁の
神社であれば、かなり古そうだ。
行ってみるとやはり、代々仁科氏が拠った古い神社だった。
まず入口に杉の巨木がそびえているのに圧倒された。描いた
のは3本杉だが、真ん中は倒れて切株(屋根付の立派な切株)。
こちらが社殿・釣り屋・中門(国宝指定)。
20年毎の遷宮で修理・メンテされるのが伝統で、前回の遷宮は
2019年のため、真新しく見えるが築300年余りという。
感心するのは、少なくとも1376年以降は20年毎の遷宮のたびに
本殿等の作り替えや修理を欠かさずに行い、現在に至っている
こと。それが1376年から20年毎に棟札にきちんと記録されてい
るので、最後の建替えが1636年、それ以降は修理で対応とわか
っている。この点も頭が下がる。
この記録によって日本最古の「神明造り」だということも証明
されているが、建築に詳しくないのでコメント無しでご容赦。
白木の鳥居も周りの緑とマッチして良い雰囲気だ。
巨木から古い木造建築まで、歴史と木の温もりたっぷりで満足
のいく訪問だった。
(掲載の絵は全てアクリル絵具で彩色)
***
余談だが、武田信玄時代に信玄の五男が仁科家の家名を継ぎ、
仁科五郎盛信となり、織田軍の甲州攻めの際に高遠城に篭城して
壮絶な最期を遂げている。高遠でも結構慕われている武将だ。
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